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iFCP †
iFCP = Internet Fibre Channel Protocol
iFCP
internet fibre channel protocol
ファイバ・チャネルで構築したストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)同士を,インターネット技術を使って接続するための技術仕様。
2003年12月にRFC3643として規定された。
ファイバ・チャネル技術には伝送距離の限界があるため,中継部分に伝送距離の制限がないインターネット技術を使うという発想から生まれた。
遠隔地間に設置したストレージ装置の間でデータのバックアップや同期を取るために使う。
同様のことを実現するための技術にファイバ・チャネルのデータ・フレームをIPパケットでカプセル化する「FCIP」がある。
FCIPとiFCPの違いは,FCIPが,遠隔地にある二つのストレージ装置やサーバーをポイント・ツー・ポイントで接続するのに対し,iFCPは,中継部分のIPネットワークにつながるストレージ装置やサーバーをマルチ・ポイントで動的に接続できる点である。
iFCP:internet-Fibre Channel-Protocol
Fibre Channelフレームをそのまま使うのではなく、IPファブリックを利用し、Fibre Channelを完全補完する技術。
- Fibre Channelエンドシステムをサポート
- ストレージトラフィックに対して、Any-to-AnyのIPルーティングが可能
- 各サイトのSANは独立して管理される
@IT:SANをIPで管理する~ファイバチャネルからの移行~
IP-SANとFC-SANの共存
2. iFCP(Internet Fibre Channel Protocol)
FCフレームをカプセル化する点ではFCIPと同様だが、FCフレームをそのまま使うのではなく、接続先のアドレスを自分の持っている変換テーブルに基づいて変換してからカプセル化する点が異なる。
これによりIP上でアドレスを認識することが可能になる。つまり、Any-to-Any接続してIPルーティングさせることが可能となるのだ。
ネームサービスとしてはiSNS(Internet Storage Name Server)をサポートする。
FCイニシエータからのSNSサービスの要求に対しては、
1. 内部にてiSNS要求に変換
2. iSNSサーバのレスポンスがあればそのFCとIPアドレスを自分の変換テーブルに記録
3. SNSフォーマットにしてイニシエータに返す
といった動作をする。
なお、iSNSはFCのSNSにDNSを結合したもので、デバイスディスカバリやステートチェンジノーティフィケーションが容易に行われるようにしたものだ。
iFCPの特徴
- エンドシステムとしてFCデバイスをサポートする(FCIPと異なりFCスイッチは不要)。
- ストレージトラフィックに対してAny-to-AnyのIPルーティングが可能。
- FCIPと異なり、iFCPで接続しても個々のFC-SANの論理的な独立性は保たれる(個々のFC-SAN内で発生した不具合は、iFCPを経由して別のFC-SANに伝播することはない)。
- iSCSIへの移行が考慮されているので、FCとIPが混在するSANからIPのみで構成されるSAN(ネイティブなIP-SAN)への移行が可能。
FCフレームをIPで認識できるように変換する