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QoS †
QoS = Quality of Service サービス品質
Quality of Service - Wikipedia
QoS(Quality of Service、クオリティ・オブ・サービス)とは、制御工学やシステム工学の分野で広く使われる用語で、サービスがどれだけニーズに合っているか、ユーザを満足させられるかという尺度を表す。
QoSは一種の評価関数であるため、対象が同じであったとしても、その評価関数を設定した者ごとに値が異なる。
コンピュータネットワークにおいて重要な通信の品質を確保するために、ルーターやレイヤー3スイッチに実装される技術のひとつ
サービス品質とも呼ばれる。
LANスイッチ(レイヤー2スイッチ)も同様の機能を備えている。
概要
インターネットに代表されるコンピュータネットワーク上の通信において、運ばれるデータの内容に応じて、扱いに差をつけること。
例えば、IP電話では通話が、動画配信では映像が切れぎれになることは利用者に不快を感じさせるため、同時にネットワークを流れるファイル交換ソフトのデータよりも優先的に運ばれるようにすると、このネットワーク回線での利便性が向上する。
QoSは主に、優先制御と帯域制御に分けられる。
優先制御 †
優先度の決定 †
ルーターやレイヤー3スイッチにおいて実行される優先制御と帯域制御のいずれの機能もパケットの処理順に差を付けるという点では同じである。
ルーターがパケットの優先度を決める方法には大きく分けて2つあり、
- 1つは送信元や送信先のIPアドレス、使用プロトコル、ポート番号で決める方法。
- もう1つはパケットの優先度を明示的にパケット内のフィールドで指定する方法である。
後者の場合にはIPヘッダーの中にTOSやDSCPといったQoS指定の専用フィールドを持つ。
- TOS(Type of service)はIPヘッダーの9~16ビット目のフィールド。
先頭の3ビットを「IPプレシデンス」と呼ばれ、8段階の転送優先順位を指定する。 - DSCP(Differentiated services code point)はTOSフィールドの中の先頭の6ビットを使って64段階の転送優先順位を指定する。
帯域制御 †
帯域制御はWAN回線への入り口等で、使用帯域が限られる場合や最低保証の値を指定するために用いられることが多い。
優先度の低いパケットがキューからあふれるとパケットの廃棄が起こる。
TCPパケットが廃棄されると再送が発生するため、他のパケットの廃棄にも繋がる。
廃棄が多くなると再送によってパケット量が膨れ上がり輻輳(ふくそう)が発生する。
これを避けるために、ルーターはある程度、パケットがキューに溜まった時点で、受け取ったTCPパケットの廃棄を行なう。
これによってTCPの機能であるフロー制御が働き、パケットの送出端末からの送出量が抑えられる。
このような事前廃棄による輻輳制御機能をRED(Random Early Detection)機能(ランダム初期検知)と呼ぶ。
ルーターが実行するこういった機能も全ての通信を識別している訳ではないので、さらに細かな制御が必要な場合には帯域制御装置が使用される。