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OSPF = Open Shortest Path First
OSPFとは【Open Shortest Path First】 - IT用語辞典
OSPF 【Open Shortest Path First】
読み :オーエスピーエフ
TCP/IPにおける経路選択(ルーティング)プロトコルの一つ。
RIPの持つ様々な問題点を改良したプロトコル。
サブネットマスクのサポートや「エリア」の概念の導入によりネットワークを階層構造化し、経路情報の量を小さくしているのが特徴。
Open Shortest Path First - Wikipedia
Open Shortest Path First (オープン・ショーテスト・パス・ファースト、略称:OSPF) は、小規模から大規模のネットワーク向けのリンクステート型ルーティング・プロトコルである。
RIPにおける制約を解消するためにIETFにおいて提唱され、スタティック・ルーティングやRIPでは実現できなかった冗長経路構成を容易に実現できる。
BGP4などのEGPが自律システム (AS) 間のルーティングを行うのに対し、OSPFはIGPであり、AS内のルーティングを司る。
OSPFはリンクステート・プロトコルである。
各ルータは隣接するルータとのリンク状態をリンクステート広告 (link-state advertisement; LSA) としてフラッディングにより交換することでネットワーク・トポロジーのデータベースを構築し、ダイクストラのアルゴリズムで最短経路ツリーを計算してルーティング・テーブルを作成する。
ネットワーク規模の増大に対処するため、OSPFはネットワークを複数のエリアに分割することを可能としており、フラッディングや経路計算をエリアごとに効率よく実現できる。
エリア間の通信はエリア境界ルータ (area border router; ABR) を介して行われ、エリア間のルーティングは特定のバックボーン・エリアが中継することで実現される。
またルーティング情報更新の負荷を軽減するため、セグメントごとに代表ルータ (designated router; DR) とバックアップ代表ルータ (backup designated router; BDR) が選出されハブとして働く。
OSPF (Open Shortest Path First)
OSPFとは、ディスタンスベクタ型とは異なる、クラスレスのリンクステートプロトコルです。(RFC2328にて定義)
OSPFでは、
&color(red){クラスレスルーティング、
VLSMのサポート、
手動集約、
OSPFネイバー認証、
マルチキャストによる差分アップデート、
Dijkstraアルゴリズム(SPF)による高速収束、
ホップ数の無制限、
大規模ネットワークに対応できる 「エリア」 の概念、
Helloによるネイバー検出と隣接維持、
ルーティングのループフリー};
などが実現されて
RIPv2のようなディスタンスベクタ型プロトコルの問題点を解決した、大規模ネットワークに適したIGPと言えます。
OSPFの用語 | 各用語の説明 |
ネイバーテーブル | 隣接するルータが記載されているテーブル。ネイバーを失えばその経由のパスを無効にしパスを再計算。OSPFネイバー確立の条件 ( ① 同じnetmask ② 同じエリア ③ 同じHello/Dead ④スタブフラグの有無 ) |
リンクステートデータベース | LSAにより、全てのOSPFルータ、リンク等に関する情報を持つ。EIGRPのトポロジーテーブルより詳細なネットワークの全体図を持つのでCPUやメモリの使用率が高くなるが、エリア内の全てのOSPFルータが同じLSDBを保持していることから、クエリーを送信することなく、独立して最適ルートの再計算を行える。 |
ルーティングテーブル | 宛先への最適なルートが記載されているテーブル。ある宛先への最適ルートはLSDBから選択されてルーティングテーブルに注入される。EIGRPはDUALを使用するのに対してOSPFはDijsktraを使用する。 |
Dijkstra | 最適なパスの選択ためにLSDBに適用されるOSPFのアルゴリズム。SPFアルゴリズムとも呼ばれる。 |
LSA | LSA (Link-state Advertisement) には、ルータID、リンク ( インターフェースのコスト、IPアドレス、タイプ等 ) そしてLSAのタイプなどが含まれる。LSAは独自のエージングタイマー( デフォルト30分 )を持っている。つまり、30分に一度ルータ全体の同期が行われる。このLSAはOSPFパケットのLSUに含まれている。 |
エリア | 全てのOSPFルータは同一のLSDB ( 全てのルータとリンクに関する情報 ) を持つ必要があり、大規模なネットワークになってくるとCPUやメモリの使用率が激しくなる。この「エリア」という概念を導入することで同一エリア内の全OSPFルータだけが同一のLSDBの詳細な情報を持つだけでよくなり、異なるエリアのためのLSDBは、同じエリアのLSDBよりも大まかな情報 ( サマリ情報 ) だけを維持すればよい形となる。 |
OSPFの役割別ルーター
ルーターの種類 | 役割 |
代表ルーター (DR:Designed Router) | エリア内に各1つずつ選出された代表となるルーター。リンク情報を全ルーターで交換すると、トラフィックが膨大になる。そこで、DRとBDR(DRのバックアップ)のみがリンク情報を交換する。 |
エリア境界ルーター (ABR:Area Border Router) | エリアの境界上に位置するルーター。同一のAS内のエリアとエリアを接続する。 |
AS境界ルーター (ASBR:AS Boundary Router) | 別のAS(RIPやBGPなどのネットワーク)との接続点となるルーター。 |