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Haskell入門 関数型プログラミング言語の基礎と実践 本間 雅洋 技術評論社 2017-09-27 ¥3608 |
1.1.1 関数型プログラミング言語 †
「関数」(function)について、今一度よく考えてみると、関数型プログラミングの特徴と利点が分かってきます。
関数型プログラミングの定義 †
- 「数学的な関数」は、引数に対して値が決まる。
- 数学的な関数で計算を表現するのが、関数型プログラミング。
参照透過性 †
関数に与えた引数が同じなら、必ず結果の値も同じになることを「参照透過性」という。
(参考)参照透過性 - Wikipedia https://w.wiki/4hfs
f(x) = x + 1
という関数があった場合、引数xに1を与えたら、結果の値f(1)は必ず2になります。
100回計算しても、100回中100回ともf(1)の値は2になります。
f(1)が2になることが保証されており、2以外の値にはならないことを「参照透過性」がある、という言い方をします。
これがもし計算するたびに結果が違って、あるときはf(1)が10になったり、また別のあるときはf(1)が100になったりしたら、関数fには参照透過性がない、ということになります。
「数学的な関数」とは、参照透過性がある関数のことです。
式(expression) †
式とは、数学的な関数を組み合わせて作ったものです。
関数型プログラミングでは、この数学的な関数を組み合わせて作った「式」を中心にして、計算(処理)の内容を記述していきます。
式と文の違い †
プログラミングには、「式」(expression)と「文」(statement)という用語・考え方で出てきます。
式と文の違いは、2.1.1 手続き型言語と関数型言語?で学びます。
両者の違いを一言で言えば、型の有無です。
- 式は型を持つ。
- 文には型がない。
評価(evaluation) †
関数に引数を与えて、関数の値を得ることを「評価」という言い方をします。
f(x) = x + 1
という関数があった場合、引数xに1を与えて、f(1)を評価すると、x+1は1+1になるので2という値が得られます。
手続き型の言語では、
「関数を実行する」
「関数を呼び出す」
という言い方をします。
関数型の言語では、
「式を評価する」
という言い方をします。
まとめ †
関数型プログラミングの特徴は、「数学的な関数」を組み合わせて式を作り、「式を評価」して結果を得るスタイルです。
手続き型でできることは、関数型でもできるようになっています。
(参考)構造化プログラミング - Wikipedia https://w.wiki/3eS6
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