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AS

ASとは【Autonomous System】(自律システム) - IT用語辞典

大規模なTCP/IPネットワークにおいて、各組織が保有・運用する自律したネットワーク。
インターネットはマクロに見るとASを相互に接続した形態となっている。

ASは単一の経路制御ポリシーを共有するネットワークで、個々のインターネットサービスプロバイダ(ISP)や企業などが保有・運用するネットワークがこれにあたる。
内部がどんなに大規模で複雑でも、外部から見ると一つのネットワークとして見える。
ASは各国のNIC(ネットワークインフォメーションセンター:日本ではJPNIC)などが発行するAS番号によって識別される。

AS内の経路制御に使われるプロトコルをIGP(Interior Gateway Protocol)、AS間の経路制御に使われるプロトコルをEGP(Exterior Gateway Protocol)という。
前者にはRIPOSPFなどが、後者にはBGPなどが使われ、AS内外の経路制御は独立して運用されている。
これは、インターネット全体を単一の経路制御システムで管理するには規模が大きすぎて効率的な管理が難しく、また、ネットワークが大規模に変更されたり障害が発生しても影響をAS内に留めることができるため。

自律システム (インターネット) - Wikipedia

インターネットにおける自律システム (autonomous system) (以下ASと略す)とは、インターネットに繋がるひとつ(時に複数)のルーティングポリシー配下にあるIPネットワークやルータの集合のことを言う。この新しい定義についての詳細はRFC 1930を参照のこと。
もともとはインターネットサービスプロバイダ (ISP) や複数のネットワークに繋がった巨大な組織など、ひとつのルーティングポリシーによって制御されているネットワークと定義されていた。詳しくはボーダ・ゲートウェイ・プロトコル (以下BGPと略す) に関して定義されたRFC 1771(廃止)を見ること。RFC 1930で新しく定義されたのは、グローバルAS番号を持ったISPに繋がっている複数の組織においてプライベートAS番号を使用してBGPを走らせ、インターネットに繋ぐことができるようになったことである。たとえそのISPが複数のASを抱えていても、インターネットからはISPのルーティングポリシーが見えるだけである。
ユニークなAS番号 (AS number) はBGPのルーティングを行うのに必要なので、各ASごとに割り振られている。BGPにおいて、AS番号はそのユニークさをもってインターネット上の各々のネットワークを認識するため、非常に重要である。

タイプ
自律システムはその接続形態や運用形態によって、3つに分けられる。
 
マルチホームASは複数のISPに接続しているようなタイプのASである。複数のISPに接続していることにより、接続しているISPのうちひとつがダウンしてもインターネットへの接続は維持される。加えて、このタイプのASは接続しているあるISPから他のISPへの経路になることもない。
 
これに対してスタブASは単一のISPに接続しているようなタイプのASである。これらのASは上流ISPとルーティングポリシーが同一の場合、AS番号が有効利用されない場合がある。実際、インターネットルーティングにおいてこのようなスタブASは、パブリックなルッキンググラスサーバ上で他のASとのピアリング・ルートが反映されないことがある。
 
トランジットASはそのAS自体がネットワークに接続するためのASである。ISPは大抵、金銭と引き換えに他のネットワークに繋ぐのが本業であるからトランジットASである。

リンク

IGP
EGP
BGP
RIP
OSPF


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