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物理層 = physical layer
物理層とは【physical layer】(第1層) - IT用語辞典
物理層 【physical layer】(第1層)
読み :ぶつりそう
別名 :layer 1, レイヤ1, L1, PHY
OSI参照モデルの第1層に位置し、ネットワークの物理的な接続・伝送方式を定めたもの。英語表記の頭を取って「PHY」と略称されることもある。
具体的には、ケーブルの材質やコネクタ形状、およびデータと電気信号の相互変換方式(電圧などの規定)などがこの層に属する。
物理層ではデータの内容については一切関知しない。RS-232Cなどのインターフェース規格や、リピータハブやケーブル類といった製品が物理層に相当する。
物理層(ぶつりそう、英: physical layer)は、OSI参照モデルにおける第一層で、伝送媒体(電気信号や光)上にてビット転送を行うための物理コネクションを確立・維持・解放する電気・機械・機能・手続き的な手段を定義する。
具体的にはモデムやDSUの制御を行い、WANやLANなど通信回線を介しビット単位で信号を伝送している。
TCP/IPにおけるネットワークインターフェース層の下層に相当する。
(1)物理層(physical layer)
OSIの最下位層に位置付けられた物理層は、通信装置や通信端末あるいは通信回線などの媒体の物理的、電気的な規約を定めている。言い換えれば物理層は、データ通信に係るハードウェアの決まり事を定めたものといえる。具体的には、通信回線に接続するためのコネクタの形状や接続ピンの配置、電気信号の極性や電圧、電流などを規定している。
物理層で扱う装置としては、データ端末装置(DTE:Data Terminal Equipment)やデータ伝送機能を有するデータ回線終端装置(DCE:Data Circuit-terminating Equipment)などがある。これらの装置に対してビット単位のデータ伝送を保証するための規約も物理層に規定されている。
代表的な物理層の規格としてはRS-232C、RS-422やRS-485、X.21などのDTEとDCE間のインタフェースに関する規定がある。
「パケット」を運ぶイーサネット物理層の定義
IEEE標準802.3では、イーサネット物理層を、次のように3つの副層に分けて定義します。
イーサネットの物理層(100BASE-TX の場合)
PCS(Physical Coding Sublayer:物理符号化副層)では、パケットにヘッダとトレイラを付けたMACフレームを、ブロック符号化により「性質の良い」ビットパターンに直します。例えば100BASE-TXは、4bitの2値(Binary)信号を、5bit長のパターンに置換する4B/5B符号を利用します(BはBinaryの意味)。さらに、特殊な5bitパターンでフレーム先頭や終端の目印を付け、次のフレームを送信するまでの空隙(IFG:インターフレームギャップ)をアイドルパターンで埋め尽くします。なお、イーサネットには、後続するフレームがあっても、必ず最低12byte相当のIFGを設けて送出しなければいけない「決まり」があります。リピータハブなどでは、機器ごとの微妙なクロック差(±100ppm)を調整するためにこのIFGアイドルを利用します。
PMA(Physical Media Attachment:物理媒体接続部)では、いままで並列処理されてきたビットパターンをシリアルビットストリームに変換します。受信側には、シリアルビットストリームからパターンの区切りを見つけ出す機能も含まれています(符号同期)。
PMD(Physical Media Dependent:物理媒体依存部)では、シリアルビットストリームを、UTPや光ファイバなどの伝送媒体に適した信号に変換します。例えば、100BASE-TXでは、2値信号をMLT-3と呼ぶ方式で3値信号に変換してから、ツイストペアを構成する2導体の電位差の時間変化に直して送出します。一方、光ファイバを使う100BASE-FXの場合は、2値の電気信号を光の点減に変換してから送出することになります。