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TCP/IP

TCP/IP = Transmission Control Protocol / Internet Protocol

TCP/IPとは【Transmission Control Protocol/Internet Protocol】 - IT用語辞典

TCP/IP 【Transmission Control Protocol/Internet Protocol】
読み :ティーシーピーアイピー
 
インターネットやイントラネットで標準的に使われるプロトコル。
米国防総省が、核攻撃で部分的に破壊されても全体が停止することのないコンピュータネットワークを開発する過程で生まれた。
 
UNIXに標準で実装されたため急速に普及し、現在世界で最も普及している。
OSI参照モデルではIPが第3層(ネットワーク層)、TCPが第4層(トランスポート層)にあたり、HTTPやFTPなどの基盤となるプロトコルである。

インターネット・プロトコル・スイート - Wikipedia

インターネット・プロトコル・スイート (英: Internet protocol suite) とは、インターネットおよび大多数の商用ネットワークで稼動するプロトコル・スタックを実装する通信規約の一式である。
インターネット・プロトコル・スイートは、最初に定義された最も重要な2つのプロトコル、Transmission Control Protocol (TCP) とInternet Protocol (IP) にちなんで、TCP/IPプロトコル・スイートとも呼ばれる。
今日のIPネットワーキングは、1960年代と1970年代に発展し始めたLAN (Local Area Networks) とインターネットの開発が統合されたものである。
それは1989年のティム・バーナーズ=リーによるWorld Wide Webの発明と共にコンピュータに革命をもたらした。

インターネット・プロトコル・スイート(類似した多くのプロトコル群)は、階層の一式として見ることができる。
各層はデータ転送に伴い生じる一連の問題を解決し、下位層プロトコルのサービスを使用する上位層プロトコルに明確なサービスを提供する。
上位層は利用者と論理的に近く、より理論的なデータを処理する。
また最終的に物理的に転送できる形式へデータを変換するため、下位層プロトコルに依存する。
TCP/IP参照モデルは4つの階層で構成される。

階層プロトコル
アプリケーション層BGP, DHCP, DNS, FTP, HTTP, POP3, SMTP, SSH など
トランスポート層TCP, UDP など
ネットワーク層IP (IPv4, IPv6),IPsec, ICMP など
リンク層ARP, OSPF, PPP, MAC (イーサネット, IEEE 802.11, DSL, ISDN, FDDI) など

ASCII.jp:TCP/IPの基礎の基礎を理解していますか?|TCP/IPまるわかり

 TCP/IPの機能階層は上からアプリケーション層、トランスポート層、インターネット層、ネットワークインターフェイス層となっている。
一般にTCP/IPと表記されるのは、この機能階層の中心であるトランスポート層とインターネット層でTCPとIPを使うからである。
TCP/IPの上位はアプリケーション層で、Webアクセスに使われるHTTP(HyperText Transfer Protocol)、電子メールのやり取りに使われるPOP(Post Office Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)と呼ばれるプロトコルが該当する。TCP/IPの下位はネットワークインターフェイス層で、前述したEthernetなどがこれにあたる。

 機能階層間では、プロトコルごとに規定されている制御情報を格納するヘッダと、相手に届けるデータを連結したPDU(Protocol Data Unit)と呼ばれる単位でデータがやり取りされる。
一般的には、TCPのPDUは「セグメント」、IPのPDUは「パケット」、ネットワークインターフェイス(Ethernetなど)のPDUは「フレーム」と呼ばれている。

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図2 TCP/IPプロトコルの階層構造

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図3 TCP/IPプロトコルの流れ

IPパケットを受け取ったEthernet制御プログラムはEthernetの規約に従ったヘッダ情報にトレーラを加えたフレームを作成する。
トレーラとは、相手のコンピュータが受信したときに、情報が伝送途中に壊れていないか確認するためのチェックコードのことだ。
そして、このフレームを構成するビットパターンに応じた電気信号を、相手のコンピュータに伝送するのである。

情報通信ネットワーク論 (第5回)

TCP/IPという名称はプロトコル体系中の代表的なプロトコルであるTCPとIPから命名されたが、他の多数のプロトコルを含む。

(3) TCP/IPの構成
TCP/IPは、以下の4つの階層で構成される。

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○ ネットワークインタフェース層(Network Interface Layer)

第1層(最下位層)。
各種の伝送媒体を用いて、同一LAN内のコンピュータ間でデータ伝送を行う層。
イーサネット、トークンリング、トークンバス、FDDI、PPPなどのデータ伝送方式を利用することができる。

○ インターネット層(Internet Layer)

第2層。
下位のネットワークインタフェース層の機能を用いて、internetのコンピュータ間でパケット交換を行う層。
代表的なプロトコルとして以下のようなものがある。

  • IP(Internet Protocol、インターネットプロトコル)
    データの転送のためのプロトコル。
    主な機能は以下の通り。
  1. アドレッシング
  2. パケット(IPデータグラム)の分割と再組立て(フラグメンテーション)
  3. 経路選択(ルーティング)
  4. ヘッダ誤りの検出
  • ICMP(Internet Control Message Protocol、インターネット制御メッセージプロトコル)
    障害情報・制御情報の転送のためのプロトコル。

また、インターネット層ではIPアドレス、ネットワークインタフェース層ではMACアドレスと異なるアドレスが用いられている。これらのアドレスの相互変換はインターネット層で行われる(この機能はネットワークインタフェース層の機能とみなされる場合もある)。

  • ARP(Address Resolution Protocol、アドレス解決プロトコル)
    IPアドレスからMACアドレスへの変換
  • RARP(Reverse Address Resolution Protocol、逆アドレス解決プロトコル)
    ARPの逆で、MACアドレスからIPアドレスへの変換

○ トランスポート層(Transport Layer)

第3層。
下位のインターネット層の機能を用いて、internetのコンピュータの1対(2つ)のアプリケーション間の通信を行う層。
以下の2つのプロトコルがある。

  • TCP(Transmission Control Protocol)
    信頼性のあるコネクション型のストリーム転送
    主な機能は以下の通り。
  1. コネクション管理:確立と解放
  2. パケットの分割と組立て(セグメンテーション)
  3. 信頼性の確保:シーケンス制御と応答確認、再送制御
  4. フロー制御:ウインドウ制御
  • UDP(User Datagram Protocol)
    信頼性のないコネクションレス型のパケット転送
    主な機能は以下の通り。
  1. ポート番号によるアプリケーションの識別
  2. 誤り検出(チェックサム)

○ アプリケーション層(Application Layer)

第4層(最上位層)。
下位のトランスポート層の機能を用いて、プログラムへのネットワーク利用のインタフェースを提供し、利用者へサービスを提供する層。
代表的なプロトコルとして以下のようなものがある。
 

  • DNS(Domain Name Service、ドメイン名サービス)
  • SMTP(Simple Mail Transfer Protocol、簡易メール転送プロトコル)
  • POP(Post Office Protocol)
  • FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)
  • HTTP(Hypertext Transfer Protocol、ハイパーテキスト転送プロトコル)
  • SNMP(Simple Network Management Protocol、簡易ネットワーク管理プロトコル)

なお、第1層~第3層のことを下位層(the Lower Layer)、第4層のことを上位層(the Upper Layer)と呼ぶ。下位層の目的はinternetを通してのコンピュータシステム間の通信であり、上位層の目的はinternetを通してのコンピュータ上のプログラム(プロセス、Process)間の通信である。

リンク

OSI参照モデル


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