[[ネットワークスペシャリスト過去問研究]]

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* ネットワークスペシャリスト2011年午後1問1 [#nc5dc5ad]

** 問題 [#z532903d]

http://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2011h23_2/2011h23a_nw_pm1_qs.pdf

問1 宿泊施設へのLAN導入に関する次の記述を読んで、設問1~4に答えよ。

 Z社は、通信機器の販売代理店であり、取扱い製品の幅広さを生かしたネットワークの設計・構築には定評がある。このたび、地方都市にあるXホテルからZ社に対し、次の要件でLAN導入について引合いがった。

・宿泊客にビデオオンデマンド(以下、VODという)サービス及びインターネットアクセスを提供するために、客室にLANを導入する。
・設備室にインターネット接続回線を引き、ルータ、レイヤ2スイッチ(以下、L2SWという)及びVOD配信サーバを設置する。
・インターネット経由で、VOD配信サーバにコンテンツを蓄積する。
・VOD配信サーバとVODセットトップボックス(以下、SBという)間の通信には、十分な通信帯域を確保するとともに、通信遅延のゆらぎを抑える。
・配管の制約上、客室内に新たに配線するのは困難である。また、営業の都合上、客室及び設備室内以外の配線工事も極力回避する。

 Z社のO主任は、各階の廊下にアクセスポイントを配置する無線LAN構成では、Xホテルの要件を満たせないと考え、現在の構内配線を伝送路として使うLAN構成を提案することにした。Xホテルの現在の構内配線は、図1のとおりである。

CENTER:&ref(NW_2011_PM_1_Q1_zu1.png);
>図1 Xホテルの現在の構内配線(抜粋)

[採用する製品の選定]
 Z社では、電力線を伝送路に使う製品(以下、製品Pという)、テレビアンテナ用同軸ケーブルを伝送路に使う製品(以下、製品Cという)及び電話配線を伝送路に使う製品(以下、製品Vという)を取り扱っている。本案件には、通信の機能及び性能の面で、どの製品も採用可能である。これらの製品の共通点は、次のとおりである。

・製品は、親機と子機で構成される。1台の親機には、複数台の子機を収容できる。
・親機は伝送路の集線箇所に接続し、子機は伝送路の末端に接続する。
・親機と子機間の通信には、搬送波の変調及び復調によってデータ伝送を行う、[ ア ]バンド伝送方式と呼ばれる技術が使用されている。

 O主任からLAN設計を指示されたU君は、製品の選定に着手した。
 最初に、通信品質について検討した。製品Pと製品Cha同じ通信技術を用いているが、%%%①伝送路として使う構内配線の通信媒体としての優位性%%%という面で、製品Cの方が優れているる。製品Cと製品Vは、優劣がつけ難い。
 次に、各製品の親機とL2SW間の配線について検討した。各製品の親機のLANポートは、1000BASE-T規格である。製品P及び製品Cでは、親機の接続箇所と設備室間に新たな配線工事が必要になる。その配線長は、1000BASE-T規格の最大セグメント長でる[ a ]m以下であるが、配線経路の電磁環境を考慮すると波長850nmの光信号を使う1000BASE-[ イ ]規格で中継することが望ましい。そのためには、UTPではなくマルチモード光ファイバでの配線と、メディアコンバータが必要になる。製品Vでは電話交換機と主配線盤間の電話配線を中継する形で親機を接続するので、設備室内でのUTPの引回しで済む。また、%%%②製品Vには、親機が故障したときに通話に影響しないように対応する機能%%%を有することを確認している。
 最後に、客室内の子機の設置、及びSTBとテレビ受像機(以下、TVという)の接続作業について検討したが、製品による大きな差はない。これらの検討結果から、U君は製品Vを選択し、LAN設計に取り掛かった。

[LAN結成及び監視端末の設計]
 製品Vの親機(以下、V親機という)1台には、製品Vの子機(以下、V子機という)を25台収容できる。V親機及びV子機には、ポートA及びポートBの二つのLANポートがある。製品Vの工場出荷時の設定では、ポートAとポートBに別々のVLANが割り当てられ、V親機とV子機においては、ポートA間及びポートB間の通信が遮断されている。本案件では、工場出荷時の設定のまま使用する。
 Xホテルで必要なV子機は81台で、V子機は最小で[ b ]台必要になるので、V親機のLANポートをL2SWに接続して束ねる。この構成では、遮断すべきV子機間の通信が可能になってしまうところがあるので、L2SWの機能で解決する。インターネット接続回線とL2SW間は、ルータで接続する。U君が設計した、XホテルのLAN構成案を、図2に示す。

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>図2 U君が設計した、XホテルのLAN構成案(抜粋)

 U君は、インターネット接続回線の混雑時に特定のアプリケーションが通信帯域を占有することを避けるために、ルータで通信制御を行うことにした。ルータによる通信制御を行うと、ブラウザでWebを閲覧するインターネットの利用において%%%③PC1台当たりの通信帯域がほぼ同じになること%%%も期待できるので、本案件では更に都合が良い。ルータによる通信制御は、次のとおりである。

・ルータは、中継するパケットのヘッダから、TCP又はUDPのプロトコル種別、送信元及び宛先の[ ウ ]番号とIPアドレスを参照して、トラフィックをトランスポート層での管理単位(以下、フローという)として識別する。
・インターネット接続回線の混雑時には、各フローの占有通信帯域が均等になるようにパケットの転送を制御する。混雑していないときには、制御を行わない。

 U君がLAN機器の構成案をO主任に報告したときに、O主任から受付カウンタの担当者向けの簡易な監視端末を提案に盛り込むように指示があった。監視端末は、V子機のLANポートのリンク状態及び通信状態を、アイコンの色の変化、点滅又はブザー音によって通知する仕組みである。この仕組みを満たすためには、SNMPを使って、LANポートの状態や送受信バイト数を表すMIBを取得する機能と、LANポートのリンク状態の変化に伴ってV子機から送信される[ エ ]を扱う機能があればよいので、ソフトウェアの開発は容易である。
 VODのコンテンツには、ディジタルデータの著作権を保護し、その利用や複製を制御し、制限する、[ オ ]と呼ばれる技術が適用されているので、宿泊客がV子機のLAN配線を触って通信フレームを不当にキャプチャリングしてもコンテンツとして再生するのは極めて困難である。しかし、通信フレームのキャプチャリング自体は好ましくない行為である。監視端末で監視することによって、その抑止効果が期待できる。
 設計完了後、O主任とU君は提案書を持参してXホテルを訪問した。Z社の提案は、Xホテルの要件を満たし、高い評価を得て、Z社は本案件を受注することができた。

設問1 本文中の[ ア ]~[ オ ]に入れる適切な字句を答えよ。

設問2 [採用する製品の選定]について、(1)~(4)に答えよ。
 (1) 本文中の[ a ]に入れる適切な数値を答えよ。
 (2) 製品P又は製品Cを採用する場合に、それぞれの親機の接続箇所を図1中の名称を用いて答えよ。
 (3) 本文中の下線①について、その優位性の内容を具体的に30字以内で述べよ。
 (4) 本文中の下線②の機能を、V親機の接続形態に着目して、25字以内で述べよ。

設問3 [LAN設計及び監視端末の設計]について、(1)~(3)に答えよ。
 (1) 本文中の[ b ]に入れる適切な数値を答えよ。
 (2) 図2中の設備室及び客室201にある機器のポート間の接続を、解答欄に示せ。
 (3) 本文中の下線③となるためには、ブラウザの通信動作がどうあればよいか。ルータの通信制御に着目して、25文字以内で述べよ。

設問4 無線LAN構成が、Xホテルの要件を満たしていない点は何か。無線LANの親機配置及び通信特性に着目して、それぞれ30字以内で述べよ。

** 解答用紙 [#pf7d6c9f]

** 解答 [#p618c9e7]

*** 出題趣旨 [#lb543912]

*** 解答例・解答の要点 [#j138511b]

** 解説 [#i3187791]

** 講評 [#q4883002]

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