ネットワーク用語 > ワイヤースピード
ワイヤースピード = wire speed
ワイヤスピードとは【wire speed】 - IT用語辞典
ワイヤスピード 【wire speed】
ある通信システムや通信ケーブルの、理論上の最高通信速度。
多くの場合、ノイズやオーバーヘッドなどにより転送効率が落ちるため、このとおりの速度が出ることはない。
「回線本来のスピード」という意味。
ワイヤー・スピード
wire speed
導線(ワイヤー)で直結されたかのように,高速に遅延なくパケットを転送処理できること。
LANスイッチの交換処理能力を示す際に使われることが多い。
LANスイッチは,受信したフレームをいったんメモリー上に格納するなど,ケーブルの伝送遅延以外にも処理遅延が発生する。
このため実際には,理論的に送受信可能な最大数のフレームを,数マイクロ秒程度の低遅延ですべて転送処理できることを指して,「ワイヤー・スピードを実現」と表現するメーカーが多い。
1秒間に送れるフレームの理論値は,100Mイーサネットで最小フレーム長(64バイト)の場合,14万8800フレーム/秒である。
例えば,100Mイーサネットを16ポート備えたスイッチでワイヤー・スピードを実現するためには,14万8800フレーム/秒×16=238万800フレーム/秒のスイッチング容量が必要になる。
http://www.n-study.com/network/switch_seinou.htm
スイッチのカタログを見ると、「ワイヤスピード・ノンブロッキングで転送」と銘打っているものをよく見かけます。
じゃ、ワイヤスピードっていったい何でしょう?なんとなく、「すっげー速い!」というイメージがつきますが・・・
ワイヤスピードとは、理論上の最大の転送速度を指しています。
たとえば、100Mbpsのファストイーサネットであれば、ワイヤスピードは100Mbpsです。
通常は、データは絶え間なく流れているわけではなくて、流れているときもあれば、流れていないときもあります。
考えられる最も負荷がかかるときが、絶え間なくデータが流れている状態です。
その状態を「ワイヤスピード」と呼んでいます。
では、ワイヤスピードで転送するときにスイッチにかかる負荷を考えてみましょう。
しかし、イーサネットフレームは長さが一定ではなく可変長です。
どのパケットサイズを基準に考えればいいのでしょう?
こういったケースでは最も負荷がかかる場合を基準に考えることになります。
フレームサイズが小さければフレームの数が増加するので、最小の64バイトのフレームを送信するときに最も負荷がかかることがわかります。
したがって、100Mbpsのワイヤスピードで転送するとき1秒間あたりのフレームの数を計算してみましょう。
ただし、ここで注意することはイーサネットフレームの前に電気信号の同期を取るためのプリアンプルとSFD(Start Frame Delimeter)が合わせて8バイト付加されていることです。
そして1つのフレームの後にすぐに次のフレームがやってくるわけではないということです。
フレーム間には、12バイトのIFG(Inter Frame Gap)が必要です。
もともとイーサネットはひとつの通信回線を他のコンピュータと共有するので、必ずフレーム間ではIFGだけあけてからデータを送ることになっています。
ワイヤスピードでの転送を別の観点で見ると、IFGのあとにすぐに次のフレーム(パケット)がやってくることと考えてもいいでしょう。
1つフレームを転送すると、IFGだけおいてすぐに次のフレーム。また、IFGだけおいて、すぐに次のフレーム・・・といった感じでデータ転送が行われている状況です。
1つのフレームを送信するためには8バイト(プリアンプル、SFD)+64バイト(イーサネットフレーム)+12バイト(IFG)で合計84バイト=672ビットを転送するだけの時間が必要ということになります。このことから100Mbpsワイヤスピードでは1秒間あたりのフレーム数は、次の式から求めることができます。
100000000(bit/秒)÷672(bit/パケット)≒148810パケット/秒(pps)
すなわち、100Mbpsのワイヤスピードは148810ppsであり、スイッチング能力がこの数値以上であればワイヤスピードでの転送が可能です。もしも100Mbpsではなくて、1000Mbpsギガビットイーサネットになればワイヤスピードは1488100ppsになります。
まとめると、
イーサネットのワイヤスピード | 14880pps |
ファストイーサネットのワイヤスピード | 148810pps |
ギガビットイーサネットのワイヤスピード | 1488100pps |
となります。